2013.03.30カンボジア旅行〜遺跡編Ⅲ〜

まだまだ続く、カンボジア旅行。

以前の記事はこちら。

カンボジア旅行〜遺跡編〜

カンボジア旅行〜遺跡編Ⅱ〜

 

今回最も行きたかった遺跡。

プレアヴィヒア寺院(Preah Vihear)!

 

タイとの国境の位置し、その国境紛争のため最近まで観光ができなかった場所。

2011年にはついにタイ軍と交戦状態に陥り、

双方に民間人を含め犠牲者が数名出てしまった過去が。

 

現在は紛争も解決されているが、

遺跡内には軍が駐在していてお互いの様子を見張っています。

 

停戦したとは言え緊張状態にあるため、

「パスパートを必ず持参して下さい!」とガイドさんから念を押される。

“パスポート持参”と言われると気持ちがピリッとする。

 

朝8時にホテルを出発。

 

舗装された道路が続いていたのが、

いつの間にか土ぼこりが舞い上がる赤土の道路に。

 

見渡す限り、平原にまばらに生える木々。

 

車で約4時間。遠っ!

 

見えてきました!遺跡があるダンクレ山。

テンションがググンとあがる!

 

チェックポイントでチケット購入。

 

読めない・・・

 

ここで山に登る用のバンに乗り換えます。

途中までは緩やかな坂道だったけど、

えっこれ上れるの?っていうくらい急勾配を上り始める。

 

15分程で山頂に到着。

 

遺跡内にあるカンボジア軍兵士の家。

半年ごとの交代なので、家というより休憩小屋くらいの大きさ。

 

いざ遺跡へ。

岩肌あらわな道(?)を歩きます。

特にルート案内があるわけでもなし。

 

入り口のナーガ像。

 

ナーガが見ている方向、ここから下って行った先がタイとの国境。

 

紛争の際にはタイから銃撃を受け、像の下の方には銃痕が。

 

線香に火をつけてご挨拶。でもすぐそばに銃。

 

 

緩やかな傾斜の参道を上って行きます。

 

先ず見えたのが、崩れた楼門。

 

横から見ると・・・

 

どこかで見たなぁと思ったら、お札の一枚にありました。

 

角には狛犬(?)が鎮座。

 

タイの方向を見ています。木の向こうにうっすら見えるのはタイの領地。

狛犬よ、タイを向いて何思ふ。

 

ここで終わりかと思ったら、

「いやいや、ここからまだまだ上っていきますよ」と言われる。

 

まだまだ、かぁ。

 

また緩やかに上る参道。

 

この長く続く緩やかさが結構しんどい。

(ただの運動不足だよ、と旦那さんに冷静に言われたが)

この、“緩やかな傾斜の参道→伽藍”というのが第5番目まで続いていて、
ずっと丘を登って行くようなかたちになっています。
2つめの楼門と伽藍。比較的形をとどめています。

 

階段の前に規則的にくりぬかれた穴の跡。

ここには柱が立てられていたらしい。

伽藍の裏門。ヒンドゥー教の彫刻がまだ残っています。

 

乳海撹拌、かな。

 

 

参道横のちょっと面白い建物。

顔みたい。緑の髪の毛がフサフサ。

 

この口の部分(違うけど)から内側の上部を覗くと、

木の幹が絡み付いていました。

 

 

これも遺跡かと思いきや、紛争時に作った兵士の隠れ場所。

まさか、遺跡の石を使ったのか・・・?

 

このくり抜かれた部分。

ここにシヴァ神(だったかな)の彫刻が祀られていたのだけど、

フランスの植民地になった当時、ヘリコプターや飛行機でフランスに持ち去られてしまったらしい。

今はルーブル美術館にでもあるのかな。

 

 

 

休憩を度々入れながら、最後の伽藍に到着!

 

 

ここも崩れ落ちています。

崩れた部分は元々は高さが15メートルほどあったそうです。

 

この部分は崩れてから1000年程経っています。

地元の人はこの崩れている姿に意味を持たせている為、

修復再建せずにこのままにしてあるみたいです。

 

伽藍を囲む廊下。この中はひんやり。

蛇のお腹の中を表していて、瞑想しながらここを歩くそうです。

屋根のアーチやぴっちり積まれた石盤から、技術の高さをうかがえる。

 

 

そしてクライマックス!

伽藍を抜けたところの岸壁からの眺め!

眼下にはどこまでも続く平野。

 

少し霧が出ているのが残念ですが、

これは写真では伝わりきらないほどの感動的な絶景です!!!!

 

その当時の人たちは、ここが世界で一番高く一番天空に近い場所だと感じたんだろうなぁ。

 

このプレアビヒア寺院はアンコールワットが造られた時代よりも約3世紀も昔、

9世紀ころにヒンドゥー教のシヴァ神を祀るために造られ始めた寺院です。

増改築を重ねヒンドゥー教から仏教寺院に変えられて、

今残っているのは11世紀から12世紀前半の姿らしいのですが、

それでもアンコールワットよりも古い。

 

「プレアヴィヒア」は現地の言葉で、「神聖な寺院」という意味。

傾斜を上っていくのが、天空に近づいていく感覚になっていくところとか、

頂上からの眺めが、天上にいる気分になるところとか、

本当に「神聖な」場所に来たという感覚になりました。

 

アンコールワットなどのある街からは遠いけど、

行く価値はかなりある場所でした!!

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