2016.12.04検査結果

紅葉も終わり、山の頂上付近が白くなってきました。

 

 

今、農園はすっからかん。

 

 

トマトの樹を切り倒したり、ハウスのビニールを片付けたり。

 

来年用の土の準備も完了し、いよいよ冬ごもりの時期がやってきました。

 

この冬ごもりの前に、2種類の検査を受けました。

一つは、「放射能検査」。

2011年の福島の原発事故以来、突然さかんに言われるようになった放射能。

離れているとはいえ、気になっていたので一応調べてもらいました。

検体はハウス内の実をランダムに選出し、検査機関に提出。

結果は「不検出」。

 

ほっ

 

 

2つ目は「抗酸化力」。

老化だけでなく、

がん細胞や動脈硬化などのさまざまな病気の原因になっている活性酸素。

その活性酸素の働きを阻止する物質の働きである抗酸化力

その抗酸化力がうちのトマトにはどれほどあるのか、調べてもらいました。

<総評コメント>から・・・

・分析サンプルは「大玉トマト(平均値)」と比較して、糖度が0.5%以上高く、糖の代謝産物であるビタミンCの含量が1.2倍高い値であることから、光合成および糖代謝が適切に行われていると言えます。

甘味と酸味がきちんとあるよ

 

・分析サンプルは「大玉トマト(平均値)」と比較して、硝酸イオン含量が低く抑えられており、活性酸素消去活性が約1.6倍高い値であることから、窒素代謝(同化)が適切に行われていると考えられます。

摂りすぎると有害な物質(硝酸イオン)が低く、抗酸化力が高いよ

 

検査機関の方々が実際に食べた感想は、

<食味コメント>から・・・甘味、旨味、酸味のバランスが良い

 

完熟しすぎると検査がしにくいから、ということで

今回は検査機関の指定でまだ青いうちに収穫し、検査機関で追熟した実で調べてもらいました。

樹で完熟させた実にはもっと高い抗酸化力が秘められているのでは。

 

 

医食同源。

食べることで病気の予防になるのなら、こんな良いことはない。

うちのトマトを食べれば食べるほど若々しく健康になるよ、と

胸を張って言えるようになりたい。

 

口に入れるものを作る側としては

「安心・安全」な野菜をお届けするのは当然のことだけど、

悲しいことに出回っている野菜の中にはそうではない野菜も多い。

うちのトマトを選んでくれている方の為にも、

根拠のある数値できちんと証明していきたいし、

今回の結果をもとにもっと切磋琢磨していきたい。

 

 

 

2016.10.22家族が増えました!

ここ最近バタバタしておりまして、

先月のイベント『イチノマチクラブ x cafe Mardie x 長九郎農園』の反省ができないまま..

 

季節がいつものようにめぐり、

 

今年もハサ干しの新米が食べられる時期になり。

 

繰り返される年月の中、

 

私たちの人生には劇的な変化が...

家族が増えました!

 

9月29日に長女が誕生し、約3週間が経ちました。

よく泣き、よく飲み、よく寝て、とても元気に過ごしています。

 

この山の中で子供が1人増えるということは、

かなり大きなインパクトを周りに与えるようです。

 

実際、私たちが住む集落で赤ちゃんが産まれるのがなんと20年ぶりだそうで、

近所のおばあちゃんからは

「生きているうちにまた赤ん坊に会えるなんて嬉しい、ありがとう」と言われたり、

泣き声が外に漏れても、

「赤ちゃんの泣き声が響いているなんていいねぇ」と顔をほころばせてくれたり、

お隣さんはわざわざ耳を澄ませて泣き声を楽しみにしてくれたり、と

集落中がそわそわしてお祝いムードが漂っています。

 

『赤ちゃんは泣くのが仕事』だと言われながらも、

実際は我が子が泣いたら近所の迷惑にならないか、とハラハラしたり、

泣き声が騒音だと文句言われたりという方が多い中

こんなに我が子の泣き声にストレスを感じる必要のない環境はとてもありがたいなぁ。

 

妊娠が判明してから、さらに「食」にも気を付けるようになり、

トマトはもちろん、自分が口にする物を実際に自分で作ること以上に安全なことはないなと実感。

 

妊娠中、トマトが採れる間中は毎日トマトを食べていました。

そのおかげで(だと思う!)つわりもほとんどなく出産に臨めました。

 

自分が口にしたものが自分の身体だけでなく、

我が子の身体も作っていると思うと、何を選ぶかは責任重大。

 

長九郎農園のトマトを選んでくれている方々には、

心身ともに満足してもらえるように来年からも研究を重ねていきたいな。

 

今年は出産のために例年より早く出荷を終了させていただき、

お取り寄せを楽しみにしてくださっていた方々や店舗さまには迷惑をかけたので、

その分来年はパワーアップしていきたいと思います!!

よろしくお願いします!

 

2016.09.19イチノマチクラブ×cafe Mardi×長九郎農園(打ち合わせ)

飛騨市古川町の人気店『壱之町珈琲店』の真反対側に姉妹店が7月にオープン。

その名も『イチノマチクラブ

 

情緒溢れる街中の白い蔵に挟まれた黒壁のお店。

 

暖簾をくぐると、

 

アンティークの不揃いな椅子たちやラジオなど、落ち着いた雰囲気。

 

コーヒーをはじめ、自家製ドリンクや季節に合ったデザートの数々。

 

ショーケースの中には焼き菓子も。

毎回変わる焼菓子の材料は基本的にオーガニックのものが使われているそう。

甘みはきび砂糖やはちみつを、卵は飛騨で放し飼いで育った鶏の有精卵!

 

これらのスイーツを作っているのは東京から移住されたパティシエさん。

ル・コルドン・ブルー東京校にて、菓子ディプロマ取得。

ドイツ、オーストリアの製菓店で修行。

結婚、出産を経て夫の故郷の飛騨に移住され、

飛騨の食材を生かしたお菓子を次々と作り出してくれています。

 

このスィーツたちは、その佇まいも味もお店に合っていて口に入れるとなんだかホッと落ち着きます。

華美ではなく素朴で、でもちゃんと記憶に残る感じはどこか飛騨の街並みと似ている。

 

 

そんな素敵な「イチノマチクラブ」と長九郎農園がコラボが実現!!!

トマトがプロのパティシエさんの手によってスィーツに!

9月24日(土)・25日(日)の二日間限定!

 

先日、その打ち合わせをしてきました。

あらかじめパティシエさんにトマトを渡しておいたので、

当日食べられるトマトスィーツたちの味の確認、という何とも楽しい打合せ。

 

まずはトマトジャム!きれいな色~

左からイエローミミ(ミニ)・アロイトマト(大玉)・甘っこ(ミニ)

私たちが特に気に入ったのは真ん中の大玉トマトのジャム。

ただ甘いだけではなく、トマトの風味も残っている。

 

トマトジャムが添えられたベイクドチーズケーキとミニトマトのコンポート

トマトジャムとマッチするようにチーズケーキは甘さ控えめ。

コンポートのミニトマトは種類ごとに味が違って大人な味!

 

レアチーズケーキ+トマトジャム!

秋にぴったりな濃いめのチーズケーキに甘酸っぱいジャムがぴったり。

 

もっとこうしてほしい、とかないですか?と聞かれるも、

「おいしい~おいしい~」としか言えない私たち。

プロってすごい。

 

は~また食べたい。

イベント当日、出産間近で大きくなったお腹をかかえて行こうかなぁ。

そしてコラボはこれだけではなく、

今回長九郎農園のトマトがパンにもなります!

 

縁があって今回トマトのパンを作ってくださるのは東京世田谷区にある「cafe Mardi」さん。

長九郎農園のトマトで酵母を起こし、厳選された材料で色々なパンを焼いてくださいます。

 

この日、そのパンも送られていたので早速試食。

トマト酵母にさらにトマトを練りこんだトマトパンと、トマト酵母のみで焼かれたバゲット。

ほのかにトマトの酸味がしておいしい~

トマトジャムを付けてさらにトマト尽くしに!

 

打合せ、というよりただの試食会になっていた幸せな時間。

 

今回それぞれのプロの方たちとコラボすることで、

自分一人で妄想していたこと以上のものが実現してうれしい。

当日たくさんの人にこのおいしいスィーツとパンを食べてほしいなぁぁぁ。

2016.08.30好みのトマト

もう8月も終わり。

今年は甲子園に加えてオリンピックがあって、熱い夏でした。

 

私たちは毎日の作業中にラジオ(もっぱらAM)を流しています。

以前は音楽を聴きながら作業をしていたけれど、

ラジオの方がなんだか集中できるような気がする。

 

そして、世間の夏休みのラジオといえば「NHK 夏休み子ども科学電話相談」。

子どもの素朴で率直な質問に、

専門の先生方が難しい言葉を使わずに四苦八苦しながら答えるやりとりが

なんともほんわかするし勉強にもなる。

 

その「夏休み子ども科学電話相談」でトマトについての質問が毎年される。

今年トマトについて質問していたのは、

確か小学生5、6年生くらいのしっかりした受け答えをする女の子。

 

『なんでトマトは赤いものが多いんですか?』

 

ん?どういうこと?と、つい作業中にその女の子の質問に反応してしまう。

 

『いろいろな色のトマトがあるのに、赤いのが一番多いのはなんでかなぁって思った』

 

先生とのやりとりから、

女の子にとっては黄色や緑色や紫色のトマトがあるのは当たり前で、

もともとトマトは赤いものだけだった、ということに驚いているようだった。

 

なんだかジェネレーションギャップ!

トマトといえば赤いもので、他の色がたくさん出てきたという認識だったけれど、

そのうち「トマト=赤い」というのが常識ではなくなるのかな。

 

それよりも驚いたのは、

先生が「君は何色のトマトが好きなの?」と聞くと

緑色!皮がしっかりしていて酸っぱくて美味しいから』と答えたこと。

(写真はグリーンゼブラ。完熟しても中が緑色)

 

てっきり、

子どもはみんな皮が薄くて甘ぁぁぁぁぁぁいミニトマトが好きなのかと思っていたから。

 

好みはそれぞれ、だなぁ。

 

お取り寄せをしていただいた方からよく言われるのは、

黄色のイエローミミが好き!という声。

 

でも、徐々に人気が出てきたのがブラックチェリー。

「ブドウのような味で好き!」と言われるのは大人の女性に多い。

不思議!

 

トマトを受け取ったみなさまがどのトマトを気に入るのかは、

それぞれの好みによるものだから

私たちが「この品種が一番美味しいですよ」とは言えない。

 

だけれど、

作り手として大切にしたいのは、品種ごとの味の違い。

カラフルなトマトを目で楽しむだけではなく、やはり口の中でも楽しんでもらいたい。

農園に見学に来てくださった方が、それぞれ味が違うことに驚いていたことがあった。

「ミニトマトは全部同じ味だと思っていたから」

と言っていたその方のトマトのイメージを変えられて嬉しい。

 

もっと言うならば、

同じ品種でも「長九郎農園だけの味」というものを作っていきたいなぁと思う。

 

それが

わざわざお取り寄せをしてくれる方へのお返しかな、と

ぐんぐん伸びていくトマトの樹を手入れをしながら思う今日この頃です。

2016.07.28鮎釣りとトマト

トマトの樹はすくすくと伸び、あっという間に私の背を抜かしていきました。

しゃがんでトマトの樹の影に入ると少し涼しい。

 

先月の6月25日に、

この地域を流れる宮川での鮎釣りが解禁されました。

 

近隣の方はもちろん、

関東や東北方面からも鮎を釣るためにたくさんの方がここを訪れます。

広場にはテントを張って泊まり込む人、付近の宿泊施設には釣り人たちが集い、

連日その日の釣れ具合を言い合ったりしている。

 

普段は地元人しかいないこの土地もこの時期は賑やかな雰囲気。

毎年恒例の夏の風景。

 

そしてここの川には毎年鮎を釣るために何十年と通っている方が多く、

「第二の故郷」だと言う方もいる。

 

私たちがこの土地に越してきて約6年。

この時期だけ顔を合わせるけれど、

私のお腹に子供ができたことを知ると本当の家族のように喜んでくれ、

日に日に大きくなっていくお腹を目を細めて見ながらすごく楽しみにしてくれる。

 

ただ鮎釣りを楽しむだけではなく、

この土地の人たちと良い人間関係を育んでいるからこそ、

夏だけとはいえ何十年とまたここに来たいと思うのかな。

 

その釣り人の方たちからは同じようなことを聞くことが多い。

「他にも鮎を釣るところはあるけれど、

川に入って鮎を釣っている時にふと顔をあげた時のこの自然がいいんだよなぁ。

自然と一体になっている感じがして気持ちがいいんだよなぁ。」

 

分かるなぁ、その感じ。

トマトに向かって作業をして、ふと周りを見渡すと山、川、田んぼ。

気分がフワァ〜っと晴れる感じ。

 

作り手が気持ち良くトマトを育てているから、

トマトをお届けした先でもこの自然を感じられるような味になるといいなぁ。