2017.03.17終雪

娘が産まれてあっという間にもうすぐ6か月。

すくすくと大きくなり体重も出生時の2倍以上に。

 

子どもが産まれたことで自分たちが関わる社会も変わり、

同年代の子どもを持つ親御さんと交流するようになりました。

 

少ないだろうなぁとは思っていたけれど、

この町の保育園に通う子どもの人数は一桁。

小学生も十数人。

 

たくさんの同級生たちと触れ合わせたいと思わないでもない。

 

もっと人数の多い遠い保育園に通わせたり、

子どものために引っ越したりする方もいる。

それぞれの考え方を尊重するけれど。

私としては、

この子にはどんな環境でも楽しく幸せに生きる術と感性を備えてほしい。

大人になっても、どこに行っても。

 

入園や入学はまだ先だけど、

保育園や小学校を見学する機会があり、先生方とお話することもできました。

 

「人数が少ないからこそ出来ることがあるのです。」

実際に、

人数が多い学校で育った私の記憶の中の学校とはかけ離れた授業の仕方と学校の雰囲気。

大人しそうな子も活発そうな子もそれぞれのペースで楽しそうに生き生きしている。

先生と生徒の間はアットホームだけど馴れ合いではなく規律正しい。

 

人数が少ないことを弱みではなく、特色であり強みにしている。

 

弱みではなく強み。

これはこの雪国での農業も同じ。

 

今年の飛騨は雪国らしくかなりの積雪。

 

雪が降る前、こんな感じだった農園が...

 

上のアーチのちょっと下まで雪に埋もれました。

たぶん積雪1.8mくらいかな。

 

飛騨地域でも雪でハウスが潰れる被害が所々であったらしいけれど、

うちは豪雪用の太いパイプに加えてスノーポールで下から支えていたので無事でした。

ビニールを剥がしていても、

パイプの上に積もった雪の重みや、雪が溶ける力でぐにゃりと曲がってしまう。

さらさらふわふわとしたイメージの雪だけれど、ぎゅっとかたまると相当な重み。

冬は作物は何もなくても、気の抜けない時期。

 

この雪の中で作物を育てるのは無理だし、

ハウスの中に暖房を入れて育てたとしても暖房費がかかりすぎて現実的ではない。

なので、冬期はお休み。

 

「年間通して出来るといいのにね」と頻繁に言われる。

お取引している店舗さんや個人のお客さんに年中お届けできれば、と思わないでもない。

でも、

雪のために冬季期間休むことはデメリットばかりではなく、メリットもある。

 

ビニールハウスをかけていると、地面に雨があたらず土に塩分がたまってしまう。

塩分が多い土からは植物は根っこから栄養分を吸い上げることができない。

冬の間土を雪の下にさらすことで、

余分な塩分を雪解けとともにゆっくりと洗い流すことができる。

 

そして、意外にも雪が積もった下の土は凍らず一定の温度のまま。

土が凍ると微生物の活動もストップしてしまうけれど、

温度が一定の土の中で、

微生物が秋に投入しておいた有機物をゆっくりと分解し土の養分になっていく。

 

土の為だけではなく、

冬の期間を自分たちの農業を見つめなおす時間に充てることができる。

 

雪が積もることは次の年に良い実をならせるための準備。

そうして付加価値のある実にすることができれば、

冬期に休むことは弱みではなく強みになるはず。

 

子どものためにどんな環境が良いか悪いかなんて

(明らかに治安が悪いとか家庭の不仲とかでない限り)ずっと先にならないと分からない。

一般的に不利だと言われるこの環境で楽しく真摯に農業をしていく姿を子供に見せていきたいな。

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