→→前回の続き
脱穀を終えた夜。「第三回めしの友大会」開催!
ルールは簡単。
これぞ白米の友だと思われる一品を持ち寄り一位を決める。
旅先で購入したもの。
行きつけのお店で分けてもらったもの。
手作りの家庭の味としていつも冷蔵庫にあるもの。
みんなの逸品をテーブルに並べて敵陣視察。



精米したての新米が炊けるのを今か今かとそわそわと待ち、

炊きたての光り輝く新米を一斉にカメラにおさめる大人達。

自分のタイミングで好きな量を食べられる様にご飯をおひつに移し、
大会スタート!


なぜこの一品を選んだのか、
どんなところがご飯に合うのかを真面目に一人ずつプレゼン。
そのプレゼンを聞いたあとに一品ずつ試食。
「美味しい!」「ふーん」「ご飯より勝っちゃうね」
などと好き勝手に言いながらご飯をモリモリ食べる。
全員分終わった後にどれが一番ご飯に合うのか無記名投票。
結果。
一位:いつも冷蔵庫にある手作りの家庭の味「肉味噌」
二位:お母さんの味。手作りの「牛肉と生姜のしぐれ煮」
三位:夫への愛があふれる手作りの「ちりめんじゃこ」
そう、トップ3が偶然手作りの品。
美味しそうな既製品を持ってきていても、
深層心理では手作りの味を欲しているのではないでしょうか。
うれしいことに
一位に選ばれたのは私が持参したものだったので、
二位の方に、大玉トマト・トマトケチャップ・ミニトマトジャムのセットを贈呈。
ご飯の友大会を通じて、
自分達で刈り取った作物を食べる喜びを共有することができ、
とても有意義な時間になりました。

次の日も見事な晴天。

普段は都会の喧噪の中で気を張って働いているみなさま。
田舎での休日を満喫して頂くため、
川のほとりでマイナスイオンを感じてもらったり、



魚が美味しい富山県でお寿司を堪能してもらい、
森の中のステキな場所にあるカフェでケーキ等を楽しんでもらいました。

私達にはやらなくてはいけない作業。
みんなにとってはやってみたい体験。
お互いにいいとこ取りで脱穀を終えられてとてもよかった!
先週の稲刈りと稲架干しから一週間。
晴天の土曜日に脱穀作業を行いました。

前日に脱穀機を準備。

今回は東京から飛行機を使って5名、
愛知県から高速を使って6名のお友達が手伝いに来てくれました。
ありがたい〜
カラカラに乾いた稲を稲架(はさ)から下し、脱穀機に入れていくと、



稲がどんどんモミとワラに分かれていく。

モミでいっぱいになった米袋を運んでもらったり、

細かく裁断されたわらを田んぼにばらまいてもらったり。


ワラをばらまくことによって
田んぼに有機物として来年の肥やしになる。
ワラは来年のトマトのハウスに敷き詰める用に、裁断せずに束にして残しておく分も。
→「2014.6.24 わら通路」

トマト用にワラを取っておく田んぼにはワラをばらまかない代わりに、
有機物として収穫が終わったトマトの樹をばらまきます。
ワラとトマトの樹を交換!
今回は仕事を持ち込んでまで山奥に来てくれた方も。
ワラに囲まれ、田んぼの畔に腰かけてお仕事中。ノマドワーカーさながら!

今回は人数が多かったので午前中で片付けまで全て終了!!
大助かり!!
ランチタイムは見晴らしの良い田んぼで。

長九郎農園からのおもてなしランチ。
ダンナさんの弟のパン屋さんからパンを送ってもらい、
長九郎農園のトマトとお手製バジルペーストなどをはさんだクロックムッシュ。

炭をおこして網で両面をいい感じにカリッと焼く。


モザイク柄が“いい感じ”のサイン。

「美味しい〜」の声が聞こえてとてもうれしい。

クロックムッシュのお供にトマトスープ!
水を加えずトマトの水分だけで煮込んだので結構濃厚。

そのスープに、
トマトを使って頂いているSHIBUYA CHEESE STANDさんのモッツアレラチーズを投入!

ミルク感たっぷりの絶品チーズが、
甘さの中に酸味のあるトマトスープに少しだけ溶けるのがたまらなく、いい。

最後にミニトマトのコンポート。並べるとキレイ!

普段肉体労働とは縁のないみなさん。
半日だけでもきっと疲れたと思うけれど、
ワイワイしながらの作業はとても楽しかった。
この日の夜はそのまま恒例の「めしの友大会」決行!
脱穀したてのモミを精米し、
それぞれ持ち込んだ『新米に合う一品』を披露し一位を決める会も今年で3回目。
その様子は次回へ続く→→
お友達の助けを借りて田植えをしたのが5月。
→「田植えフェス」

約4ヶ月で黄金に輝く田んぼに。

天候不順のため穂が小さいらしいけれど、
それでも重たそうに頭をもたげている。

ありがたいことに、
5月に田植えのお手伝いに来てくれてお友達が、今回の稲刈りにも来てくれました。
自分が植えた苗を刈り取る喜びを共有!
家族が食べる分くらいの小さな田んぼだけれど、
昔ながらの稲架干し(はさぼし)をするので人手が多い程助かるのです。
まずは稲刈り機での刈り取り。

稲を刈り取りながら、数株を一束に紐でくくられて出てくる。
ここで生まれ育ったおじいさん(92歳)は、
「昔はカマで稲を刈り取ったし、ワラで自分達で稲をくくったんじゃよ」と教えてくれた。
くくられた稲の束を集めて稲架(はさ)にかけていく。
この作業に人手が要るんです。

途中から遠くから来た子供も体験をかねてお手伝い。
始めての田んぼに最初は足を踏み入れるのも恐る恐るという感じだったけれど、
そのうち走り回ったり、

ぶかぶかの軍手でバッタを捕まえたり。

まぁ、まずは楽しんでくれればいいのです。

かけ終わったら、

上にカバーをして終了!

普段とは違う地面の感触と筋肉の動きに、みんなへとへと。
この労力はおいしいお米となって返ってくるからね。
地域によって稲架が一段だけどすごく長かったり、
逆に、はしごが必要なくらいに何段にも上に上にかけていく方法もある。
そこの地形で方法を変えていると思うのだけど、
間違いないのは天日で干すと美味しくなるという事!!

空がすっかり秋模様。

目を上げるともの凄い数のトンボが飛び交っている。
これは、赤とんぼかな。

虫の音には鈴虫が加わり、つくしも目をつむって耳を傾けている。
(あ、これは眠いだけか)

お取り寄せを始めて約一ヶ月。
お客様からうれしいお言葉が。
「野菜嫌いの子供がバクバク食べます」
「子供の頃に食べた様な、懐かしい味がします」
などなど。
うれしい、本当にうれしい。
ありがとうございます。
子供の頃に食べた味は大人になっても影響するのだなぁ。
子供の頃のダンナさんは、超・野菜嫌い。(今は随分と改善)
何一つ野菜を食べられなかった幼少期に祖父母の家へ遊びに行ったある夏休みの日。
早朝、おばあちゃんに畑に連れて行かれて目の前でトマトをもいで渡された。
「ほれ、食べな」
普段なら絶対に野菜を食べないけれど、
なぜかその時だけは「食べてみようかな」という気になり、
その場で一口齧ってみた瞬間、「あれ、美味しい」と感じたらしい。
むねのり少年にとって、唯一食べられる野菜は「おばあちゃんのトマト」になった。

そして私にとっての唯一のものは「母の梅干し」。

なんの変哲もない普通の梅干し。
仰々しく個別包装された梅干しなんかも食べてみたけれど、
美味しいと言えば美味しいんだけど、しっくりこない。
母の梅干しを食べると子供の頃の情景を思い出す。
ベランダから流れ込んでくる、干された梅とシソの酸っぱいような香り。
その香りを嗅ぎながらダラダラする私。
きっと、
ダンナさんの「おばあちゃんのトマト」も、
私の「母の梅干し」も、
子供の頃の思い出と共に身体に染み付いている味なのだなぁ。
世の中にはたくさんの美味しいものがある。
だけど、
長九郎農園のトマトが
子供の頃の情景を思い起こさせたり、
子供達にとっては、食卓の風景が大人になっても楽しい思い出となるといいなぁ。
長九郎農園のトマトが、
みなさんの「とっておき」なトマトになれますように。